Kotonoha 言の葉だより 第三章「大切なものを守るために」葬儀費用編 事件簿・第一部「お布施」

第三章「大切なものを守るために」葬儀費用編 事件簿・第一部「お布施」

―死んだ後にもお金はかかる。知っておきたい葬儀の謎―

「葬儀の費用は、ちゃんと確認したはずなのに……」
ところが、後になって別のお金が必要なケースも出てきます。
今回のお話は、葬儀費用の中でも、なかなか人に聞きづらい「お布施(お坊さんへのお礼)」についてです。

🔷そもそも、葬儀の時の「お布施」って何?
葬儀や初七日法要で読経をしたり、戒名を授けたりしてくださる僧侶に、感謝の気持ちとして渡す謝礼のお金のことです。


🌸 はじめに

大昔から神と仏をともに大切にしてきた「神仏習合」の文化があります。
「八百万の神々」という考え方も、日本ならではの文化の一つです。

葬儀の儀式や戒名・諡(おくりな)などの扱いは、宗教や宗派によって異なります。
今回ご紹介するものが、すべての方に当てはまるわけではありません。
なお、神道でも神職への謝礼として「御祭祀料」「御礼」などを納める場合があります。
ただ、今回のお話は神道・仏教を合わせて書くと、また長くなってしまうため💦仏教に焦点を合わせて書いていきます。
宗派は違えど、別料金が発生するという意味では神道も同じような感覚なんだな…と、思って読んでみてください。

「うちの宗派にはないよ」というものもあれば、「聞いたことがある」というものもあるかもしれません。
その違いを踏まえて、読み進めていただければと思います。

さて、今回は全三部作の事件簿構成にしてあります。
特定のお寺とのお付き合いがない方にも関係するお金のお話も出てきます。

※前回、一気に話を進めすぎ、長文化してしまったため反省💦ここからは細切れ戦法でお伝えいたします😅


事件簿・第一部 「お布施」

■ 葬儀代は払ったはずなのに……

父の葬儀を終えた娘さん。
葬儀社との打ち合わせで費用も確認し、支払いの準備もできていました。

ところが、親戚から一言。
「お坊さんへのお布施は、ちゃんと用意した?」
「えっ? お坊さんへのお金? 葬儀代に入ってないの?」
慌てて葬儀社に確認すると、今回のプランには含まれていないとのこと。
「じゃあ、いくら必要なんですか?」
「お寺さんにご確認ください」←(先に言っといてくれよ…💦)

お寺に尋ねると、返ってきたのは……。
「お気持ちで結構ですよ」
……いや、その『お気持ち』が分からないんですけど!!💦

葬儀費用は確認したのに、お布施のことは確認していなかった。

これが今回の「こんなはずではなかった!」です。


■ 「お気持ち」なのに、金額が決まっている?

実際、お布施の金額を尋ねると「お気持ちで」と案内する寺院もあります。
一方で、金額の目安を公表している寺院や、僧侶手配サービスもあります。

つまり、お布施の金額や案内の仕方は、どこでも同じではないのです。

「お気持ち」と言われて困る方も多いと思います。
だって、相場を知らないんですから(笑)


■ じゃあ、どうすればいいの?

まず、葬儀社にはこう確認してみましょう。
「このプランに、お坊さんへのお布施は含まれていますか?」
含まれていない場合は、寺院や僧侶手配サービスに、必要な金額や渡し方を確認します。
菩提寺(既にお世話になっているお寺)がある方は、まずそのお寺に相談するのがよいでしょう。

そして、金額を尋ねることを失礼だと思う必要はありません。
分からないまま準備するより、事前に確かめておく方が安心です。


🌸 ちょっと素朴な疑問

お寺によっては「読経料○円」「戒名料○円」というように、金額を分かりやすく案内しているところもあります。

そこで、ふと思うのです。
「それぞれの金額が決まっているなら、さらに『お布施』というお金も必要なの?」
ここが気になるところです。(笑)

金額が明示されていても、それとは別にお布施が必要なのかどうかは、確認してみないと分かりません。
だからこそ、最初に総額を尋ねておきたいですね。


🌸今回のまとめ

葬儀社に支払う費用だけで、すべてが済むとは限りません。
お布施が別に必要な場合もあり、金額や案内の仕方は寺院などによって異なります。
「何に、いくら必要なのか」を先に確認しておくことが大切です。


🌸編集後記 ― 気は心 ―

私の祖父は、何かにつけて「気は心」を大切にする人でした。

旅先では、部屋を担当してくださる方に。
近場まで乗せてもらったタクシーの運転手さんには、
「近場で申し訳ないから、これ、コーヒー代ね」と少し余分に。
身内の葬儀では、読経などのお金を充分に納めたうえで、さらに「これはお布施です。お納めください」と。

祖父にとっては、金額の問題ではなかったのでしょう。
感謝の気持ちを、自分なりの形で伝えたかったのだと思います。

ちなみに、そんな祖父の孫である私はというと……。

「サービス料に含まれてるんだから、心付けは菓子折りで上等!」派です。

……じっちゃん、これで許せ。(笑)

次回は、「戒名」(神道では諡(おくりな))とお金の関係についてお話しします。


📚 情報源

・国民生活センター「墓・葬儀サービス」
https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/sougi.html

・曹洞宗公式サイト「法事の営み方」
https://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/memorial/hoji