第三章「大切なものを守るために」葬儀費用編 事件簿・第三部「僧侶派遣」
「レンタル坊主で節約!……のはずが、納骨できない!?」
―お坊さんの浮気、バレたらどうなる?―
🌸「レンタル坊主」って何?

「レンタル坊主」とは、僧侶派遣サービスのことを巷でこう呼んでいるものです。
「菩提寺に頼むと高い。レンタルで頼めば安い。」
そんなイメージもあることから使われている呼び名です。
決して、お坊さんを馬鹿にした悪ふざけの暴言ではありません。(笑)
🌸事件発生! お布施を節約したはずが……
父親を亡くしたある家族。
『お父さんの葬儀、どうしようかしら……』
「前におじいちゃんのお葬式をしたとき、お布施が結構かかったよね?」
『そうなのよ。またあの金額かと思うと……💦』
そこで娘が見つけたのが、インターネットの僧侶派遣サービス。
「見て! お布施の金額が決まってる! これなら安心じゃない?」
『へぇ~! 今はお坊さんもネットで頼めるのね!』
こうして、家族は菩提寺には相談せず、派遣僧侶に葬儀をお願いしました。
葬儀は無事に終了。
……ところが。
🌸お墓に入れないって、どういうこと!?
四十九日を迎える前、母親が菩提寺へ納骨の相談をすると……。
住職「えっ? 葬儀は別のお坊さんにお願いされたんですか?」
母『はい。ネットで手配できたので……』
「そうでしたか。それは、事前にご相談いただきたかったですね」
『えっ……何か問題があるんでしょうか?』
「納骨については、お寺の決まりもありますので、一度お話ししましょう」
『えええっ!? 普通に納骨できると思ってたのに!😱』
葬儀は終わったのに、お墓のことで新たな問題が発生!
安く済ませたつもりが、思わぬ展開になってしまいました。
🌸実は、宗派も注意喚起している
これは単なる作り話の心配事ではありません。
曹洞宗は、インターネットの定額僧侶派遣などをめぐり、菩提寺の確認が行われずに葬儀や法要が執り行われ、係争が発生していることを公式に注意喚起しています。
さらに、他のお寺の檀信徒の葬儀などを、菩提寺の住職の許可なく執り行うことについて、宗派の懲戒規程に関わる可能性も示しています。
これは遺族を処罰する法律ではなく、僧侶側に関わる宗派内部の規律です。
つまり、依頼する側だけでなく、引き受けるお坊さん側にも確認すべき事情があるのです。
🌸じゃあ、別のお坊さんに頼んだら納骨できないの?
「レンタル坊主を利用したら、菩提寺のお墓には入れないの?」
ここ、気になりますよね。
結論から言えば、別のお坊さんに葬儀をお願いしたからといって、必ず納骨できなくなるわけではありません。
実は、墓地埋葬法第13条には、墓地の管理者は「正当な理由」がなければ納骨を拒んではならない、という決まりがあります。
では、この**「正当な理由」**とは、一体何なのでしょう?
少し身近な例えで考えてみましょう。
🌸あなたがマンションの管理人だったら?
ここで、お寺を賃貸マンションに置き換えて考えてみましょう。
あなたは、賃貸マンションの管理人さんです。
ちょっと想像してみてください。

マンションに住んでいる人を、管理人さんが個人的に気に入らないからといって、勝手に退去させることはできませんよね?
では、反対に。
契約もしていない人が、いきなりマンションにトラックを横づけして、
「今日から住ませてください!」
と言ってきたら?
もちろん、お断りですよね?🤣
そして、どのマンションにもルールがあります。
・夜間は静かにしましょう。
・エレベーターなどの共用部分では、たばこを吸わないでください。
・ゴミは決められた日に出してくださいね。
こうしたものは、住民みんなが気持ちよく暮らすための、契約や管理規約に基づくルールです。
そして、法律が関わる問題もあります。
例えば、無断転貸(むだんてんたい)。
簡単に言えば、大家さんの承諾を得ずに、借りている部屋を別の人に又貸しすることです。
これは民法にも定めがあり、契約上の問題になる場合があります。
つまり、管理人さんの個人的な好き嫌いと、契約・ルール・法律に基づく判断は、まったく別の話。
🌸では、お寺のお墓に戻りましょう
お寺のお墓も、考え方は少し似ています。
例えば、先祖代々のお墓を使う権利があり、必要な手続きも整っているのに、
「うちのお坊さんに葬儀を頼まなかったから、気に入らない!」
という理由だけで納骨を拒めるとは限りません。
一方で、そのお墓を使う権利がなかったり、納骨に必要な書類がそろっていなかったりすれば、当然、確認や手続きが必要になります。
また、お寺には宗派ごとの宗教儀礼や墓地の使用規則があります。
例えば、
「納骨の際は、当寺の宗派の作法で供養を行います」
という決まりがある場合です。
これは、納骨そのものを認めるかどうかとは、別のお話。
厚生労働省が公開している行政解釈でも、宗教団体が管理する墓地で、宗教が違うという理由だけで納骨を拒むことは正当な理由にならない一方、墓地で行う宗教儀礼については別に考える必要があるとされています。
ただし、マンションの賃貸契約とお墓の使用関係は、法律上まったく同じものではありません。あくまで、考え方を分かりやすくするための例えです。
「別のお坊さんに頼んだら絶対に納骨できない」と決めつけないこと。
そして同時に、
「法律があるから、何も相談しなくても大丈夫」と思い込まないこと。
だからこそ、菩提寺のお墓に納骨する予定があるなら、葬儀で別のお坊さんにお願いする前に、一度相談しておくことが大切なのです。
🌸お坊さんだって、事情があります
長年お付き合いしてきた菩提寺がある場合、葬儀や法事は単なる一回限りの依頼ではありません。
そして、派遣される僧侶も、別のお寺との関係を無視してよいわけではありま線。実際に、他寺院で授かった戒名の扱いについて規定を設けている寺院もあります。
菩提寺を尊重することと、言われるままにお金を支払うことは別だという点。
ここを理解することはとても大切です。
費用に不安があるなら、まず菩提寺に相談してみる。
お布施の目安や、別の僧侶にお願いする場合の扱いを、事前に確認しておく。
それでも納得できなければ、墓地の使用規則や今後のお墓の管理について、きちんと考える必要があります。
🌸今回のまとめ
① 僧侶派遣サービス自体が悪いわけではありません。
② 菩提寺のお墓に納骨する予定なら、別の僧侶に依頼する前に確認を。
③ 費用だけで決めず、葬儀の後も菩提寺とのおつきあいは続くのだ。ということまで考えておきましょう。
🌸編集後記

今回のお話、人間関係に例えるとこんなことになります。
長年通い続けている高級クラブ。
最近女の子が少なくて、行っても空卓(キャスト0)になることがしばしば。
「こっちの方が安いから!」という誘いに乗って安いキャバクラへGO!
常に若い女の子が付いてくれるから通い続けることになる。
もちろん、お店を選ぶ自由はあります。
でも、会話の内容も薄いし、居心地もなんだか違うなぁと思い、結局高級クラブに逆戻り。
そこでママから強烈な嫌味のひとこと。
「あらー○○さん、てっきりウチなんかより若い子がたーっぷりいる、お安いお店の方がお好きなのかと思ってたわよ~。おかえりなさい❤」
(バレていた……💦💦)
結局今までで一番高いシュワシュワのお酒をおろす羽目に……。
夜のお店も、坊さん関係も、浮気は禁物!🤣
浮気するなら、後始末まで考えておかないとね。(笑)
……ま、許されるかどうかは別だがな。🤣🤣🤣
🌸お・ま・け
ここまで長く続いた葬儀費用編をお読みいただき、ありがとうございました。
次回は、ここまでお付き合いいただいた皆様のお役に立てるよう、
「葬儀の際に思わぬトラブルに巻き込まれないための確認チェックシート🎁」をご用意しています。
PDF版もご用意し、必要なときに印刷して使える形にしています。
葬儀費用編の締めくくりとなる総まとめです。
ぜひ、次回もお付き合いくださいね。🌸
📚参考資料
・曹洞宗宗務庁「葬儀・法要執行に関してのお願い」(2022年)
・厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」第13条、および関連する行政解釈
・龍松寺「永代供養墓 納骨規定」