🌸言の葉だより 緊急特別企画 第一部
「便利の裏側で、あなたの情報はどこへ?」
―情報漏えいが相次ぐ今、私たちにできること―
ちょっと、思い出してみてください。
最後に、何かの会員登録をしたのはいつですか?
ネットショッピングでしょうか。
病院の予約でしょうか。
それとも、ポイントカードを作ったとき?
名前、住所、電話番号、生年月日……。
ネット上の会員登録では、こうした情報が「必須項目」になっていることも珍しくありません。
入力しなければ、登録そのものができない。
つまり、便利なサービスを利用するために、私たちはさまざまな個人情報を企業に預けているのです。(垂れ流すなよ……と切に願いながら😅)
ところで、皆さん。
何年も前に登録して、今では使っていないサービス。
そんなもの、ありませんか?
では、そのとき登録した名前や住所、電話番号などは、今どうなっているのでしょう。
退会したら、全部消えていると思いますか?
実は、退会したからといって、預けた個人情報がすべて消えるとは限りません。企業によっては、法律上の保存義務や業務上の必要性から、退会後も一定期間、情報を保管している場合があります。
情報が残っていること自体が、悪いわけではありません。
大切なのは、企業がその情報を何のために、いつまで保管し、どのように管理しているのかということ。
そして、私たち自身も、預けた情報が退会後すぐに消えるとは限らないことを知っておく必要があるのです。
■ 情報漏えいは、もう他人事ではありません。
ニコニコ動画、ローソン、タイムズカー、GMO……。
最近のニュースには、聞き覚えのある企業やサービスの名前が並んでいます。
2026年10月には、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)も、国内で情報漏えいの公表が相次いでいるとして注意を呼びかけました。
私たちは、企業を信用して個人情報を預けています。
ところが、どれだけ利用者が気をつけていても、預けた先のシステムが攻撃されれば、情報が流出することがあります。
「私は怪しいサイトなんて見ないから大丈夫!」
……残念ながら、それだけでは防げない問題なんです。
では、実際にどんな情報が漏れ、何が起きているのでしょうか。
■ 漏れた情報によって、心配する内容はさまざま。
― 実際に起きた事件を見てみましょう ―
ここからは、漏えいした情報の種類ごとに、どのような危険があるのかを見ていきます。
各項目には、実際に起きた事件を短い見出しで紹介し、その事実を確認できる公式資料へのリンクを付けています。
「明日は我が身」です。
決して他人事と思わず、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
なお、「漏えいが確認された」と「漏えいした可能性がある」は違います。その点も区別してご紹介します。
【名前・住所・電話番号】
不審な電話や郵便物、本人を装った詐欺などに悪用される危険があります。
🏪 ローソンで会員情報215万件超が漏えい!
🛡️ 損保ジャパンの委託先もサイバー攻撃!約7万5千件の顧客情報に閲覧の可能性!
※2025年5月の発表時点では、外部への漏えいや不正利用は確認されていません。
公式資料:損保ジャパン・2025年5月1日発表
【メールアドレス】
偽の企業通知や、詐欺サイトへ誘導するメールの送信先として悪用される危険があります。
🎥 ニコニコを襲ったサイバー攻撃!KADOKAWAグループ関係者ら約25万人の個人情報が漏えい!
※一般のニコニコ会員全員の情報が漏れたという意味ではありません。
公式資料:KADOKAWA・2024年8月5日発表
【ID・パスワード】
第三者にアカウントへ不正ログインされる危険があります。
特に、同じパスワードを複数のサービスで使っている場合は注意が必要です。
🎁 GMOのアンケートサイトで約89万件の個人情報持ち出し!ポイントの不正交換まで発生!
※パスワードは暗号化された状態で持ち出されたと公表されています。
【クレジットカード情報】
カード番号などが漏れると、不正利用につながる危険があります。
💳 ネット通販が標的に!カード情報3,268人分に漏えいの可能性!
一部のカード情報について、不正利用の可能性も確認されています。
公式資料:ボンフォーム・2026年4月27日発表
【運転免許証など本人確認書類の画像】
本人確認に使われる情報がまとまって含まれているため、なりすましなどに悪用される危険があります。
🚗 タイムズカーで本人確認画像約146万件に外部送信の痕跡!退会後の保存期間にも注目!
※画像は暗号化されており、内容が第三者に読み取られたと確認されたわけではありません。
公式資料:タイムズカー・2026年10月23日発表
■ そして、今まさに起きている事件も。
💻 GMO「お名前.com」へのサイバー攻撃!攻撃者側が情報を公開、掲載サイトは停止へ!
2026年10月28日時点でも、調査と対応が続いています。
公式資料:GMOインターネット・2026年10月28日発表(第13報)
■ こんな話を書いている最中……。
ハイ、ここでも出ました!😱
2026年10月28日、日本航空(JAL)が、外部委託先のシステムへの不正アクセスを発表。
約9万2,000人分の予約情報について、外部から参照された形跡が確認されたとのことです。
情報漏えいの問題を記事にしている、まさにその最中のニュースです。
「またか……」と思わずにはいられません。
▶ 【JAL公式発表・2026年10月28日】
https://www.jal.co.jp/ja-jp/news/general/2026/other/261028.html
■ ここで、企業側についても一つ。
ここまで実際の事件を紹介してきましたが、情報漏えいが起きたからといって、その企業が悪意を持って情報を流出させたということではありません。
企業自身も、サイバー攻撃の被害を受けることがあります。
現に、セキュリティ関連事業も展開するGMOグループのサービスでさえ、サイバー攻撃されてしまっています。
(どうなってんだ!?……っていう大きな独り言です😅)
ただし、私たちの大切な情報を預かっている以上、企業には適切に管理する責任があります。
企業を一方的に責めることと、企業に責任ある対応を求めることは、別の話です。
今回、実際の企業名を掲載したのは、誰かを悪者にするためではありません。
現実に何が起きているのかを知り、私たち自身が適切に行動するためです。
■ 「情報が漏れました」というメールが届いたら?
ある日、利用している企業からメールが届きます。
「お客様の個人情報が漏えいした可能性があります」
……えっ!?
ち、ちょっと待って! 私の情報!?😱
慌ててメールに書かれたリンクを押したくなるところですが、ここで一度、手を止めてください。
本物の企業からの連絡とは限りません。
情報漏えいのニュースに便乗した偽メールにも注意が必要です。
メールのリンクからではなく、普段使っている公式アプリや、自分で確認した公式サイトから情報を確かめてください。
確認してほしいのは、自分が対象なのか、何が漏れたのか、企業がどんな対応を求めているのか。
分からないことがあれば、公式の問い合わせ窓口に尋ねてください。
■ 今日、確認してほしいことがあります。
ここまで読んで、
「で、結局何をすればいいの?」
と思った方。
お待たせしました!🤣
まずは、
① 自分が個人情報を預けている先を確認してください。
ネットショッピング、会員登録、ポイントサービス、予約サイト……。
全部を一度に思い出す必要はありません。
まずは、よく使うサービスから確認してください。
そして、もう使っていないサービスが見つかったら、退会方法や登録情報の削除方法を確認してください。
ただし、退会すればすべての情報が即座に削除されるとは限りません。
タイムズカーの事例が、そのことを教えてくれています。
もう一つ。
② 同じパスワードを複数のサービスで使っていないか、確認してください。
使い回している場合は、重要なサービスから順番に、異なるパスワードへ変更してください。
「そんなこと言われても、パスワードの変更方法が分からないんだけど!」
……はい。そこなんです。
実は、今回の緊急特別企画で、どうしても取り上げたかった問題の一つが、まさにそれ。
正しい対策を知っていることと、実際にできることは違います。
専門家の説明を聞いても、操作ができなければ困ってしまいますよね。
だから次回は、まさにその問題を取り上げます。
■ まとめ
便利なサービスを利用すること自体が、悪いわけではありません。
私たちは、その便利さにたくさん助けられています。
でも、便利だからこそ、預けた情報のことを忘れてしまう。
例えば、電話番号。
例えば、目的地までのルート。
わたくし、がっつり昭和世代ですので、黒電話のダイヤルをジーコジーコ回していた頃の電話番号って、いまだに覚えてるんですよね(笑)
ゼンリンの地図を広げて自分で調べて行った場所の道順も、結構覚えています。
ところが、携帯電話やカーナビが普及し始めた頃から……
「これがあれば覚えなくていい脳ミソ」
が出来上がっちゃったんですねー🤣
そして、個人情報も同じ。
会員登録のときには名前や住所を入力していても、その後はどこに何を登録したのか、すっかり忘れてしまう。
便利になった分、私たちは覚えておかなくても困らなくなりました。
でも、私たちが忘れていても、預けた情報まで消えているとは限りません。
自分の個人情報を、どこに、何のために預けているのか。
まずは、そこを確認してください。
そして、情報漏えいの知らせが届いたら、慌ててリンクを押さず、公式の情報を確認してください。
自分の情報を守るために、今できることを一つずつ。
「そんな悠長なこと言っていたら、取られちゃうんじゃない?」
そう思った方は、片っ端から確認して、もう使わないものは公式サイトから退会や登録情報の削除手続きをするという、情報の断捨離大会を頑張ってやってみましょう!
ちなみに私は、後者です🤣🤣🤣
ただし、退会してもすべての情報がすぐに削除されるとは限りません。保存が必要な情報もあるため、各サービスの案内を確認してください。
また、すでに漏えいの通知を受けている場合は、断捨離よりも先に、企業が案内している必要な対策を取ってください。
次回予告
第二部「『パスワードを変えて』と言われても……」
「パスワードを変更してください」
……だから、その変更方法が分からないんですってば!!🤣
専門家の言う「正しい対策」と、私たちが実際にできる対策。
その間にある問題を考えます。
【情報源】
各事件の公式発表は本文中に掲載しています。
対策に関する情報源:
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「自分の個人情報等が漏えいした際の『対処』と『日頃の対策』」(2026年10月26日)
- IPA「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえ、速やかに実施すべき対策等について」(2026年10月9日)
※事件に関する情報は2026年10月28日時点の公表資料に基づいています。今後の調査で内容が更新される場合があります。