第三章「大切なものを守るために」
個人情報編 ―まとめ―
「そもそも個人情報って、どこからどこまで?」
ここまで個人情報編では、私たちの暮らしの中にある、さまざまな場面を見てきました。
・何気ない世間話から、家族のことを話した事件簿①。
・ポイントをもらうために、アンケートへ名前や住所などを入力した事件簿②。
・かわいい我が子や家族との思い出をSNSに載せた事件簿③。
・住所そのものは載せていなくても、SNSやライブ配信などから居場所につながる情報について考えた事件簿④。
どれも、特別な世界で起きている話ではなく、私たちの身近なところにある出来事です。
では、ここで改めて考えてみましょう。
「個人情報」って、何でしょう?
個人情報と聞いて、まず思い浮かぶのは、
名前、住所、電話番号。
そんなところではないでしょうか。
もちろん、それらも個人情報です。
法律では、生きている個人についての情報で、氏名などによって特定の個人を識別できるものや、ほかの情報と簡単に照らし合わせることで特定の個人を識別できるものなどが「個人情報」とされています。
……と言われても、
ちょっと分かりにくいですよね(笑)。
たとえば、一つだけを見れば「誰のこと?」と分からない情報でも、いくつかの情報が組み合わさることで、その人につながることがあります。
そして、ここで覚えておいていただきたいことがあります。
法律上「個人情報」に当たるかどうかと、「知らない人にまで知られても大丈夫な情報か」は、必ずしも同じ話ではありません。
いつも利用している駅や、よく行くお店。
家族について話したこと。
毎週決まった曜日に通っている場所。
こうしたものも、私たちの暮らしの一部です。
個人情報編でお伝えしたかったのは、法律の言葉を覚えていただくことではありません。
自分や大切な人の情報が、普段の暮らしの中でどのように扱われているのか。
それを、少しだけ意識していただきたかったのです。
便利な世の中になりました
デリバリーやネット注文など、配送してくださる方々のおかげで、私たちの生活はとても便利になりました。
商品を届けてもらうためには、名前や住所、電話番号などを伝える必要があります。
だからといって、「個人情報を守るために、誰にも住所を教えてはいけない」なんてことになったら、大変です(笑)。
SNSやインターネットも同じです。
情報が正しいかどうかを見極める必要はありますが、知りたいことがあれば、辞書や本を一冊ずつ広げなくても、スマートフォンひとつで手軽に調べられるようになりました。
自分から自由に発信することもできます。
遠く離れた人とつながったり、知らなかった世界を知ったり、自分の好きなものを誰かと共有したり。
今の時代だからこそ得られる便利さや楽しさが、たくさんあります。
そして、この個人情報編でご紹介してきたさまざまな参考資料もまた、そんな時代だからこそ、私たちが安全に暮らすために発信されている注意喚起です。
便利なものを怖がる必要はありません。
SNSをやめる必要もありません。
誰とも話さずに暮らす必要もありません。
ただ、便利で自由になったからこそ、私たち自身にも知っておいてほしいことがあります。
「自由には、常に責任が伴う。」
自由に話せる。
自由に発信できる。
便利なサービスを自由に利用できる。
その自由を安心して楽しむためには、自分がどんな情報を、誰に、何のために、どこまで渡しているのかを知っておくこと。
そして、自分で選べる場面では、
「自分の情報は、自分でも守る」という意識を持つこと。
悪意をもって情報を利用する人がいることと、私たち自身が自分の情報の扱いに責任を持つことは、別の話です。
便利だから。
楽しいから。
みんなもやっているから。
それだけで何でも差し出してしまうのではなく、自分で選んだことには、自分自身も責任を持つ。
失敗することは、誰にでもあります。
「あのとき、話さなければよかった。」
「入力する前に、もう少し確認すればよかった。」
「この写真は、載せない方がよかったかもしれない。」
あとになって、そう思うこともあるでしょう。
大切なのは、その経験をそこで終わらせないことです。
知ったことを、次に生かす。
それだけでも、同じことを繰り返さないための大切な一歩になります。
守るために、不自由になる必要はありません
「じゃあ、何もするなっていうこと? めっちゃ窮屈じゃん!」
そう思った方もいるかもしれません。
でも、それではせっかく便利になった世の中が、不自由だらけになってしまいます(笑)。
私たちが個人情報編を通してお伝えしたかったのは、怖がることではありません。
知ることです。
何を、誰に、伝えているのか。その情報が、その先でどのように扱われる可能性があるのか。
すべてを完璧に防ぐことはできなくても、知っているからこそ、自分で選べることがあります。
便利なものは、便利に使う。人とのつながりも、楽しむ。
自由に発信することだって、楽しめばいい。
そのために、
自分の情報も、自分や大切な人を守るための「大切なもの」の一つとして扱ってほしい。
第三章のタイトルは、「大切なものを守るために」です。
大切なものとは、お金や財産だけではありません。
自分自身だけではなく、家族。
そして、日々の暮らし。
私たち一人ひとりが持っている情報も、その中の一つです。
便利さも、自由も楽しみながら。自分の情報は、自分でも大切にする。
そんなことを、個人情報編の最後に覚えておいていただけたらと思います。
第三章「大切なものを守るために」
個人情報編は終了です🌸
次からは、また別の角度から。
私たちの「大切なものを守るために」、知っておいていただきたいことをお伝えしていきます。